収納・片付け・整頓・整理。ことばの意味を知ればコツは自然と身につきます

収納・片付け・整頓・整理|それぞれの意味とは?

収納上手や断捨離ということばを最近はよく耳にしますが、そのことばの意味を正しく理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。ことばの意味を誤解したまま「きれいな収納」を目指しても、残念ながらきれいな状態を維持することはできません。

収納・片付け・整頓・整理、これらの言葉にはそれぞれ違った意味と役割があります。そして、きれいな収納を実現し、その状態をキープするには、正しい順番で収納を行わなければいけません。きれいな収納を目指すために、まずは言葉の意味を知ることから始めましょう。

収納の意味

収納とは、「物をかたづけしまうこと」です(※広辞苑より引用)。「収納方法を考える」という言い方をよくしますよね。でも、収納するためには先に収納できる状態にしておかなければいけません。

あらかじめ収納ルールを決め、収納するためのタンスやラックを用意し、決めたルールに従って物を収納していきます。つまり、「収納」は整理整頓の締めくくりの作業です。

収納のポイント

あなたにとって理想的な収納を行い、きれいな状態を維持するためには、空間の使い方と収納する場所の決め方がポイント。賃貸マンションのように、収納に利用できるスペースが限られている場合はなおさらです。

例えば、毎日使うものを片付けにくい場所に収納してしまうと、次第に片付けなくなります。けれど、ワンアクションで収納できる場所なら片付けは苦にならず、片付けを習慣化しやすいです。

逆に、使用頻度が少ないものやシーズンオフのものを、手に取りやすい場所に収納する必要はありません。使用頻度が少ないものは、棚の高い位置や低い位置といった手に取りにくい場所に収納することで、それまでデッドスペースだった空間を収納に活用できるようになります。

片付けの意味

片付けとは、「散乱したものを整える、または整理すること」です(※広辞苑より引用)。動作で言うと、「元の場所に戻す」作業に当たります。

収納と片付けは同じ意味だという解釈の仕方もありますが、厳密には違います。「収納」はきれいに収めた状態を指すのに対して、「片付け」は元の状態に戻すことを指して言います。

きれいな収納まではなんとかできたとしても、元通りに片付けられないと、きれいな収納を維持することはできません。

片付けのポイント

片付けの最大のポイントは、継続できること。そのためには、片付けがストレスにならない工夫が必要です。ストレスを感じない収納の方法は人によって違いますから、あなたがストレスを感じないしまい方はどんな方法か、自分の動作を観察してみるといいでしょう。

例えば洋服を例にあげると、タンスの引き出しにたたんで収納する方法と、ハンガーに掛けて収納する方法がありますよね。洗濯ものをタンスに片付けるのが面倒くさいようなら、ハンガーに掛けたまま収納できるようにすればいいんです。

片付けは苦にならないけれど、どこにしまったかすぐに忘れてしまうから、片付けたくないという気持ちが無意識下にある人もいます。家の中でものを探すことが多いようなら、ラベリング収納がおすすめ。収納場所が分かりやすくなり、片付けのストレスが減ります。

整頓の意味

整頓とは、「よく整った状態にすること」です(※広辞苑より引用)。分かりやく言うと、物の配置を考えること。でも、どんな配置を整っていると感じるかは人によって違うから、少し微妙ですよね。

職場で書類などを整頓するときは、他のスタッフが混乱しないように、職場の整頓ルールに従って配置しなければいけません。でも職場の整頓ルールは、あなたにとっては整えにくかったり、整っていないと感じるかもしれません。

つまり整頓は、配置を考えた人の主観が大きく影響する部分です。

整頓のポイント

自分の家の中を整頓するときは、あなたが「整っている」、「分かりやすい」と感じる配置にすることが大切。大きなラックには収納グッズを上手に取り入れ、引き出しには仕切りを設けるなどすると、整頓しやすくなります。

また、引き出しや扉の中に物を収納すると、片付けがおっくうになるようなら、見せる収納を採用するという考え方も。見せる収納には、「片付けが面倒くさい」というネガティブな思考を、「おしゃれに飾りたい」というポジティブな方向に変える効果があります。

整理の意味

整理とは、「不必要なものを取り除くこと」です(※広辞苑より引用)。広い意味では「乱れた状態にあるものを整えること」を言いますが、収納を考えるときの整理の意味は前者を指します。動作で言うと、「選別」の作業です。

もっと分かりやすく言うと、整理とは、いらないものを選別して処分すること。整理は収納を考えるときのもっとも重要なステップで、整理をなおざりにするときれいな収納を維持することはできません。

整理のポイント

整理するときに欠かせない作業は、収納している物をいったん全部出してみること。何をどれくらい持っているか、並べて見ることで改めて再確認できます。全部出したら、次は分類します。

仕分けの項目は、あなたが分かりやすい内容にしましょう。「よく使う」・「時々使う」・「使っていない」といったように使用頻度で分けてもいいですし、「見た目が好き」・「使いやすい」・「思い出の品」といったように、感覚で分けてもいいです。

いずれにしても、「処分」の仕分け項目をひとつ作っておきましょう。これは、すぐに捨てるという意味ではなく、あなたにとって不要という意味。どう処分するかは後で考えればいいので、まずは要・不要をはっきりさせることが大切です。

部屋を綺麗にしたいならまずは「整理」から始めよう

収納・片付け・整頓・整理、これらの言葉の意味を理解したところで、いよいよ収納作業に取りかかります。その前に、それぞれの言葉の意味をもう一度おさらいしましょう。


  • 収納は「物をかたづけしまうこと」

  • 片付けは「散乱したものを整えること」

  • 整頓は「よく整った状態にすること」

  • 整理は「不必要なものを取り除くこと」



  • この順番、子供の頃におうちや学校で「片付けなさい!」と怒られたときに、あわてて取り組んだ順番と同じだという方も多いのでは?

    けれど残念ながら、この順番で片付けていたら「収納」はストレスなまま。何度もリバウンドを繰り返します。でも、はじめに正しい順番で収納作業を行えば、その後の「片付け」をスムーズに行え、やがて片付ける必要さえなくなります。

    正しい順番はこの逆。最初は「整理」からです。

    ステップ1.「整理」して物を分別する

    収納を考えるときは、収納量が少ないほうが楽ですよね。収納グッズを買う予定なら、収納量が減ればより小さなグッズで済みます。この意味でも、最初に「整理」をして全体の量を減らすことはとても重要です。

    整理にはもうひとつの役割があります。それは、自分の好みを客観的に見ること。整理をすると、同じようなものがいくつも出てくるときがあります。例えば洋服なら、同じようなデザインと色のアウターが何着もあるというケース。

    全部を把握していて、使い分けているのなら、そのまま同じ場所に収納してもオッケーですが、ひとつあれば十分だと感じたら、一番好きなものをひとつ選び、それ以外は処分するか、ストックケースに移動させましょう。

    整理して収納の全体量が減ると、大好きな服をより探しやすくなり、無意識に同じデザインの服を買ってしまうのを防ぐ効果もあります。

    ステップ2.物を綺麗に配置し「整頓」する

    整理をして収納量を減らしたら、次は配置を考える「整頓」です。整頓と聞くと、みた目がすっきりとしている様子をイメージしますよね。でも、整頓するときに何よりも大切なのは「継続できる」ようにすること。そのためには、片付けやすく、直感的に取り出せる配置を意識しましょう。

    例えば、クローゼット収納の配置を考えるときは、動作の順番に沿って物を配置するのがおすすめ。トップス、ボトム、アウター、小物と言ったように、身に着ける順番に合わせて配置すると、考えるより先に体が動き、ものを探すストレスが減ります。

    スカーフや帽子といった小物類は、玄関に配置すると飾りになり、クローゼットの中を広く使えるというメリットも。

    ステップ3.使いやすく「収納」する

    整頓して物の配置を決めたら、次は実際に「収納」していきます。整頓の段階では、配置を決めるだけで収納の仕方までは決めません。整頓と同時に収納方法を決めようとすると、配置より収納方法を優先しかねないからです。

    クローゼット収納の例で言うと、トップス、ボトム、アウター、小物の順番で配置すると決めましたよね。それらを引き出しにたたんで収納するか、それともハンガーに掛けて収納するかは、配置を決めた後で考えるほうが自由度が高いです。

    たたんで収納するなら衣装ケースが必要だし、ケースの中に仕切りを設けると、きれいな状態を維持しやすいです。また、掛けて収納するならたくさんのハンガーが必要。アイテムの量にあわせて、連結式のハンガーや滑りにくいハンガーを使うと便利です。

    ステップ4.使った後はもとの場所に「片付け」る

    「片付け」は収納が終わったあとのステップです。使ったものを元の場所に戻すだけだから、あなたにとって片付けやすい収納ルールを作っていれば、きれいな状態を維持するのはそれほど難しいことではありません。

    整理・整頓・収納の順番通りに作業を進めたにもかかわらず、片付けを続けられないときは、収納の方法を見直してみましょう。クローゼット収納の例で言うと、見栄えを気にして引き出し収納を選んだから、片付けられないのかもしれません。

    ためしにトップス以外はハンガーに掛けて収納したり、トップスはラックに収納するなど、いまより楽になる収納方法に変えてみましょう。それでも片付けが続かないようなら、改めて「整理」します。

    整理・整頓・収納・片付け、この一連のステップを定期的に繰り返すことで、あなたが維持しやすい状態が次第に分かってくるはずです。

    多くの企業が職場の美化に採用している「5S運動」とは?

    「5S」という言葉を聞いたことはありませんか?「5S」は、整理・整頓・清掃・清潔・しつけをアルファベットで書いたときの、頭文字を足し合わせたもの。職場をきれいな状態に保つために、製造業で始まった管理スローガンで、「5S管理」や「5S運動」とも呼ばれています。

    製造業にとどまらず、最近では流通センターやオフィスの職場管理に広く採用されており、5Sの考え方は一般家庭の整理整頓にも大いに参考になります。

    5Sにおける「整理(せいり)=Seiri」とは?

    5Sでいう整理は、処分を意味しています。例えば、作業が終わった書類はすぐに廃棄する、保管書類は一定の期間が過ぎたら捨てる、などのルールがそうです。使っていないボールペンなどの事務用品や、古くなった道具類も、定期的に整理(処分)します。

    整理に明確なルールがあると、保管量が増えるのを防げると同時に、整理をするときに悩む必要がありません。家庭でも、このように整理ルールと見直しを行う期間を決めておけば、整理を習慣化しやすです。

    5Sにおける「整頓(せいとん)=Seiton」とは?

    5Sでいう整頓は、片付けを意味しています。整頓の本来の意味は、ものの配置を考えることですが、職場ではすでに配置が決められていて、勝手に変えるわけにはいきません。使ったものは元の場所に戻す、これが5Sにおける整頓です。

    ただしオフィスにおいては、退社時にデスクの上をきれいに片付けることを「整頓」と呼ぶケースも。翌朝、スムーズに仕事を始められるようにしておくためです。

    自宅のデスクやテーブルの上がいつも散らかっているようなら、夕食の後はテーブルをきれいに片付ける、パソコンを閉じたらデスクの上を片付けるといったように、一日一回、片付けるタイミングを決めてみましょう。

    5Sにおける「清掃(せいそう)=Seisou」とは?

    5Sでいう清掃は、文字通り「そうじ」を意味しています。どんな会社にも、朝礼の後や退社前などの決まった時間に「清掃タイム」が設けられていますよね。毎日、当たり前に掃除をすることで、職場にゴミやほこりがたまるのを未然に防いでいるんです。

    収納が苦手な方は、掃除も苦手なケースが多いです。収納を見直そうとして、掃除をするだけで終わっていたりしませんか?そういう方は、家庭でも「清掃タイム」を決めるのがおすすめ。そうじを習慣化すれば、収納の見直しに専念できるようになります。

    5Sにおける「清潔(せいけつ)=Seiketsu」とは?

    5Sでいう清潔は、整理・整頓・清掃を続けることを意味しています。処分と片付けと掃除を習慣化して毎日続けていれば、清潔な状態を保つのは簡単です。

    それプラス、近年は「身だしなみ」を指して清潔と呼ぶことも。特にオフィスや接客業では、清潔は身だしなみを指します。最近は職場におけるスメハラが問題視されるようになったから、体臭や過剰な香水も清潔の対象に入るでしょう。

    でも大まかに言うと、5Sの清潔は「整理整頓を続ける」という意味。きれいに収納はできても、片付けができなければ意味がないのと同じで、ルールは作るより守るのが難しいことを、企業の管理部門はよく分かっているんです。

    5Sにおける「躾(しつけ)=Sitsuke」とは?

    5Sでいうしつけは、ルールを正しく守ることを意味しています。「清潔」で継続を習慣化するまではなんとかできても、そのうち必ずズルをする人が出てくるからです。例えば片付けが雑になったり、不要な書類は一カ月分ためてから、まとめて廃棄するようになったり。

    5S運動が始まった当初、製造業では大勢のスタッフが同じ道具を使って同じ作業を行っていたため、習慣化プラス、ルールを守らせることがとても重要だったのでしょう。

    けれど近年は、5Sの「しつけ」の意味がもっと広がっています。片付けに限定せず、業務手順を守る、あいさつをきちんとする、礼儀正しくするなどもしつけに含まれます。職場であいさつができない人が増えているからでしょうね。

    収納に関する言葉の意味まとめ

    MEMO
      【収納・片付け・整頓・整理|それぞれの意味とは?】
    • 収納の意味→物をかたづけしまうこと
    • 収納のポイント
    • 使用頻度が高いものはワンアクションで収納できる場所へ
    • 片付けの意味→散乱したものを整える、または整理すること
    • 片付けのポイント
    • ハンガーに掛けたまま収納・ラベリング収納など、片付けのストレスにならないように工夫する
    • 整頓の意味→よく整った状態にすること
    • 整頓のポイント
    • 収納グッズを上手に取り入れ、わかりやすい収納を心がける。見せる収納にするのもひとつのアイデア。
    • 整理の意味→不必要なものを取り除くこと
    • 整理のポイント
    • 収納している物をいったん全部出して、分類する。まずは要・不要をはっきりさせることが大切。
      【部屋を綺麗にしたいならまずは「整理」から始めよう】
    • ステップ1.「整理」して物を分別する
    • ステップ2.物を綺麗に配置し「整頓」する
    • ステップ3.使いやすく「収納」する
    • ステップ4.使った後はもとの場所に「片付け」る
      【企業でも取り入れられている「5S」】
    • 5Sにおける「整理(せいり)=Seiri」とは?
    • 定期的に整理(処分)すること
    • 5Sにおける「整頓(せいとん)=Seiton」とは?
    • 使ったものは元の場所に戻す、退社時にデスクの上をきれいに片付けること
    • 5Sにおける「清掃(せいそう)=Seisou」とは?
    • 文字通り「清掃」のこと。清掃タイムを設けている企業も。
    • 5Sにおける「清潔(せいけつ)=Seiketsu」とは?
    • 整理・整頓・清掃を続けること。身だしなみを指すことも。
    • 5Sにおける「躾(しつけ)=Sitsuke」とは?
    • ルールを正しく守ること